ライフスタイル

北欧現地便り

子供と共に成長する家具

長身で手足の長い北欧人らを取り囲む生活空間では、あらゆるものの“高さ”が高い。ドアノブやキッチンの高さは日本のものに比べ、10~15cmも高く、ダイニングテーブルや椅子の高さも5cm程度と少しではあるものの、日本基準の家具よりも高く作られています。わずかな差であるようですが、身長155cmの私にとって、これら高さの違いは大きいもの。最後までしっかり成長しきった大人の私が、若干違和感を感じる高さなのですから、まだまだ成長途中にいる幼い子供たちにとって、北欧家具のスタンダードな高さはかなり居心地の悪いものなのでしょう。

『そんな子供たちに身体に合った家具を使わせてあげたい』という思いやり精神と、『一つのものを長く大切に使いたい』という北欧人独特の熱い想いとが上手く重なり合うからなのか、北欧には子供たちと一緒に成長していくタイプの家具がたくさん存在します。
子供の身長に合わせ伸縮可能な伸長式ベッド、生活スタイルの変化に対応できるロフトベット型の家具や、高さ調整が可能なデスクや椅子など、大きくなっても使い続けていけるものばかり。

スウェーデンの家具屋さんでは、子供部屋はハッキリとした鮮やかな色遣いが特徴的
スウェーデンの家具屋さんでは、子供部屋はハッキリとした鮮やかな色遣いが特徴的
子供には子供の身体に合った家具を
子供には子供の身体に合った家具を
ライフスタイルに合わせ、組み換え自由なロフトベッド家具
ライフスタイルに合わせ、組み換え自由なロフトベッド家具
伸縮可能なデスク&チェアーは、大人になっても使い続けることが可能
伸縮可能なデスク&チェアーは、大人になっても使い続けることが可能

ノルウェーで生まれた椅子「トリップトラップ」

その中でも代表的なのが、お隣ノルウェーで生まれたストッケ社の椅子【トリップトラップ】。食卓に幼い息子の座高に合った椅子が存在しないことに気づいた家具デザイナーのピーター・オプスヴィックさんが、息子も家族の一員として、みなと一緒に集えるよう、発明されたものなのだとか。座高の高さと奥行き、そして足のせ台の高さまでをも調節できるようになっているので、大人はもちろんのこと、若者、子供、赤ちゃんまで、みんなが姿勢正しく心地よく座れるように設計されています。

ここスウェーデンでも、トリップトラップ椅子は子供家具の定番の一つとみなされており、幼い子供を持つ多くのご家庭だけでなく、ほとんどの幼稚園や保育所でもスタンダード家具として置かれ、毎日たくさんの子供達の正しい姿勢作りに役立っているようです。

1972年に発売されて以来、世界中の人々に愛され続けてきた椅子【トリップトラップ】
1972年に発売されて以来、世界中の人々に愛され続けてきた椅子【トリップトラップ】

TEXT : もみの木ちえ

BACK NUMBER