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リサ・ラーソン:”幸せの一歩は、身近なところにある素晴らしいものを、心と体で感じ取ること”

9月11日より松屋銀座を皮切りに開催中の「北欧の豊かな時間〜リサ・ラーソン展」。今回は、スウェーデンの人気陶芸家リサ・ラーソン特集第2弾をお届けします。残念ながら、現在リサはアトリエでの制作活動が忙しい為来日できませんでしたが、スウェーデンより北欧じかんのインタビューに応じていただきました。

私が初めてリサ・ラーソンの作品に出会ったのは、スウェーデンに移り住んだ1997年のことでした。当時住んでいた田舎町のオークションで彼女の初期の作品『ダックスフンド(1956-1978)』のその愛くるしい姿に一目惚れし、学生だった私は限られた貯金で思い切って落札した時の事が、今ではとても懐かしく思います。あれから17年、ダックスフンドにも仲間が沢山増えて我が家のリビングルームでリサの作品たちは私たち家族を毎日癒してくれています。

ダックスフント
我が家のリサコレクション

多くのリサの作品の中でも、ユーモアあふれる動物をモチーフにしたものはとても有名ではありますが、『世界の子供シリーズ』や彼女の子供たちをモチーフにした『ラーソンの子供たちシリーズ』などの作品もみんなとても愛らしく、見ているだけでほっこりとした気持ちにさせてくれます。リサの作品のどれをとってもどこか温もりを感じるものばかりで、リサの優しさとおおらかさ、そしてユーモアが伝わってくるようです。

ジュリアス&ジュリアナ
ジュリアス&ジュリアナ
Collection Bernhard Svensson g-b@bredband.net 
©Lisa Larson/Thomas Carlgren
ネコを抱くスティナ-漁師
ネコを抱くスティナ 漁師
Collection Bernhard Svensson g-b@bredband.net 
©Lisa Larson/Thomas Carlgren

そんな素敵な作品を50年代から現在に至るまで作り続けているリサも今年で83歳。彼女は口癖のように『私には作品のアイデアがいっぱいあり過ぎて、年を取っている暇はないのよ!』と言います。そんな彼女は、時間を惜しみながら精一杯作品作りに日々を捧げている印象を私は受けました。

リサさんが考える今回の展覧会の見所は?

私の作品を見てリサ・ラーソンの世界を楽しんでいってください!その中でも日本限定の作品も作ってみましたので、是非沢山の日本の方々に見ていただきたいです!

日本でこの展覧会をすることになった経緯は?

日本の方々からの温かいリクエストで今回、私の展示会させていただくことになりました。多くの日本の方々にも私の作品が注目され、そして愛してくださって本当に嬉しく思います。

リサさんの作品のインスピレーションはどこから来るのでしょう?

普段の生活からもですが、今回の日本限定作品に関しては、私は以前から日本のアートやデザインが大好きで、私も含めて多くの芸術家は日本から多大なインスピレーションをもらいながら作品作りをしていると思います。私の頭の中には常に沢山のアイデアがあるのですが、時間が足りなくてなかなか全てを実行できていません。私にとってインスピレーションとは『感覚』なので、形にない物を言葉で表すことは苦手なのです。

作品作りにおいて大切にしていることは何ですか?

私が最も大切にしていることは3つ。1つ目は作品が出来たときのイメージをする。2つ目は作品がきちんと生産できるか?そして3つ目は私自身がその作品に満足できること。私はビジネスで作品は作らないので、人々がどのような物を好んで、売れる売れない等は一切考えていないのです。

夏のアトリエでのリサ・ラーソンさん
夏のアトリエでのリサ・ラーソンさん
photographs by naoko akechi
サマーハウス内部のインテリア
サマーハウス内部のインテリア
photographs by naoko akechi
サマーハウスの壁装飾
サマーハウスの壁装飾
photographs by naoko akechi
夫婦で過ごすフィーカ
夫婦で過ごすフィーカ
photographs by naoko akechi

今回の展覧会の見所ともなっている、リサさんのサマーハウスやアトリエ。ここはリサさんにとってどんな場所なのでしょう?作品作りにどう活かされているのでしょうか?

私にとって最も重要なのはスウェーデンの大自然と古くからある文化に囲まれながら生活をすること。そのような豊かな環境にあるからこそ自分の作品作りが出来るのだと思っています。

リサさんは何度か来日されていますが、芸術やデザイン以外で、日本で何か印象に残っていることはありますか?

そうですね、まず日本人の皆さんはとても親切で礼儀正しいですね。あと、私が驚いたのはどこへ行っても清潔できれいなこと。例えば東京の地下鉄にはあんなにも沢山の人がいるのに、ゴミなんて滅多に落ちていない!80年代頃のストックホルムの地下鉄は電車の中の椅子はボロボロで、駅の壁には落書きだらけ。今は少し良くなりましたが、そういう所は日本をよく見習うべきだと思います。私が日本で会った方々もポジティブで私に大変敬意を表してくださいました。お世辞のように聞こえるかもしれませんが、これは私の経験です。いろんな意味で日本は本当に大好きです!

今後も展覧会のご予定はありますか?

ええ、今後も沢山の展覧会の開催が予定されています。それはそれで有り難い事なのですが、今は自分のアトリエで仕事する時間がなかなか取れないので、とにかく自分の作品を制作する時間が欲しいです。

作陶以外にも活躍の場を広げていらっしゃるリサさん、これからのビジョンや夢を教えてください!

私の一番の夢は、3人の私の子供たちと孫たちが正しい道を選び、幸せな人生を歩んでいってくれる事です!今私は忙しい毎日を過ごしていますが、のんびりと休む時間は必要ありません。以前はお芝居や映画を良く見に行きましたが、そんな時間も最近は滅多に無く、その分の時間を作品制作に費やしたいのです。健康のために気功とヨガは毎朝欠かさすやっていますね!

母の彫像シリーズ 肘掛け椅子に座る母 母と子 籐椅子に座る母 母と4人の子供たち
母の彫像シリーズ 肘掛け椅子に座る母 母と子 籐椅子に座る母 母と4人の子供たち
Collection Bernhard Svensson g-b@bredband.net 
©Lisa Larson/Thomas Carlgren
「乗り物」シリーズ 飛行機の原型作品
「乗り物」シリーズ飛行機の原型作品
Collection Bernhard Svensson g-b@bredband.net 
©Lisa Larson/Thomas Carlgren

最後に、北欧じかんの読者にメッセージを、リサさん流・北欧の豊かな時間、幸せなライフスタイルを送る為のアドバイスをください!

世の中には無数の美しい物や素晴らしいものが沢山あります。それは皆さんの身近な場所にもあるかもしれません。それを見逃さないように体と心で感じ取ってみてください。きっとポジティブで幸せな気持ちになりますよ。

北欧の豊かな時間 リサ・ラーソン展

松屋銀座 2014年9月11日(木)〜9月23日(火・祝)
阪急うめだギャラリー 2014年11月19日(水)〜12月8日(月)
滋賀県立陶芸の森 陶芸館 2015年3月7日(土)〜6月7日(日)
ジェイアール名古屋タカシマヤ 2015年6月19日(金)〜6月26日(金)
群馬県立館林美術館 2015年7月18日(土)〜8月30日(日)

※その他全国を巡回予定です。
※会期が変更になる場合がございます。

リサ・ラーソン プロフィール

1931年 スウェーデン南部ヘルルンダに生まれる。
1948年 ヨーテボリのアートスクールに入学。
1954年 グスタフスベリ社にデザイナーとして入社。
1962年 初の個展開催。
1970年 スウェーデンデザイナーの代表団として大阪万国博覧会を訪問。
1979年 グスタフスベリ社を退社しフリーデザイナーとしての活動を開始する。
1992年 Keramik Studion Gustavsberg社を設立。
2003年 Keramik Studion Gustavsberg社を退き、自身のアトリエで活動を開始。
2010年 スウェーデンにて50周年記念展覧会開催。

TEXT : 佐藤公美

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