ハウジング

本場北欧ハウスお宅拝見

ノルウェーの空間造りに学ぶ、ヴィンテージとDIYのインテリア術

日照時間が短く、冬が長い北欧ではお家の中で過ごす時間が多め。インテリアにかける情熱が熱い一方、ヴィンテージへの愛着も深いのがノルウェーの人々です。「いらっしゃい、さぁ中へどうぞ」と、素敵な笑顔で出迎えてくれたのは、メレーテ・ヨルダルさんでした。玄関から入って、目の前に広がったのは、ご飯を食べたり、子どもが宿題をするリビング空間。

石作りの屋根と、
白いペンキを塗った木材住宅

ヨルダルさんが住んでいるのは、ノルウェー南西部にあるハダンゲルフィヨルド地帯オッダ町。氷河と雪が残る高い山々をバックに、美しいフィヨルドと湖に囲まれた地域です。オッダ町は「工業の町」としても知られており、古い建築物が今でもあちらこちらに残っています。石で覆われた屋根、たくさんの小さな窓、ペンキ塗りの木製住宅は、「労働者住宅」と呼ばれている昔からの建築様式です。

曽祖父母から譲り受けた家に、
ちょっとだけ手を加えて

キッチンに立つヨルダルさん。調理器具はインテリアショップで見つけたものや、家族からいただいたもの。ヨルダルさんがご家族と一緒にこのご自宅に引っ越してきたのは、2007年。祖父母と曽祖父母の世代が1950年代から住んでいたお家を譲り受けました。一部は増築をしており、仕切りだった壁を取り外して、オープンな空間に。壁を白く塗り直し、昔の良さを残しながら自分好みにアレンジ。今は7才と9才の息子さんと、3人で暮らしています。

お客様を招き入れるときに、
テーブルに花やキャンドルは大事な要素

どこを見ても、本人が大のインテリア好きということが伝わってくる素敵な空間です。「コーヒーを飲みましょうか」と、ヨルダルさんは、友人のエリザベス・ハウゲさんが手土産として持参したチョコレートのお菓子を用意してくださいました。

イスが大好き!

家主のヨルダルさん(左)と、友人のハウゲさん(右)。空間の隅々で目に付くのが、数え切れないほどのイスとキャンドルの数。思わず、「全部のイスに座っているのですか?」と聞いてしまいました。「ええ、本当は地下室にもまだまだあるのよ。インテリア雑誌を置いて、サイドテーブル代わりになっている時もあるわ。ヴィンテージショップで見つけたり、祖父母から譲り受けた大事なイスなの」。

DIYでヴィンテージ家具に
オリジナリティを加える

ヴィンテージ発掘が大好きなヨルダルさんは、頻繁に地元のヴィンテージショップや蚤の市に出かけたり、ノルウェーやデンマークのオンラインショップなどで、古いアイテムを見つけてきます。
古い本棚やイスは自分でペンキを塗り直し。テーブルは、台は店で購入した新品の素材を使用、脚にはアンティーク専門のウェブサイトで購入した木材を使用して、自分で作り変えてしまいます。大工作業が大好きなので、プロやほかの人に頼むことはないそうです。
時には、ネットで見つけた古い家具を手に入れるために、1時間以上かけて、車で取りに行くこともあるとか。白い家具もヴィンテージ。「古いものから、新しいものを作ることは、私の趣味なの」と話すヨンダルさん。

ヨルダルさんのお気に入りアイテム3選

火がゆらめくキャンドルは、インテリアの絶対アイテム

ヨルダルさんと友人のハウゲさんは、「キャンドルはノルウェー人にとって、とても重要なもの」と話します。
「”コーシェ“するなら、キャンドルは絶対に必要!」と同意する2人。「コーシェ」(kose)とは、ノルウェー語で、空間や雰囲気が「気持ちいい」、「落ち着いて、のんびり・リラックスできる」というような意味を持つ、ノルウェーで頻繁に使われる独特な表現。
「冬は日中でも暗いから、夜に限らず、キャンドルに火をつけているわ。ノルウェーのお店では、キャンドルがたくさん売られているでしょう?」とヨルダルさん。

曽祖父母が職場で出入りしていた古いドア

リビングで目を惹いたアイテムが、古びた木のドア。ドアとして使用されることはなく、飾りが付けられて、壁に立てかけられていました。なんと、ヨルダルさんのお父様の祖父母が、町で小さなお店を経営していた時のお店のドアだそうです。「私の曽祖父母が、あのドアを何度も出入りしていた、家族の歴史がつまったドア。大事なものよ」。

アンティークのイスとテーブル

ショップで見つけた木製のテーブルと、祖父母から譲り受けたイスは、まるで長年連れ添ったかのように、違和感なく同調しています。古くて、使えなくなったからといって簡単に捨てない。再利用する道はないか考え、自分の手で新しい命を吹き込む。モノを大事にする気持ちが、ヨルダルさんの素敵な空間作りにおいて、なにより大事な要素となっていることが伝わってきました。

TEXT : 鐙 麻樹 

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