ハウジング

本場北欧ハウスお宅拝見

ヨアン・ヤコブさん

大学客員教授/オーデンセ在住

童話作家アンデルセンの故郷である「オーデンセ」郊外にあり、2階部分を最近増築された素敵なご自宅にお邪魔してきました。 ロボット技術や福祉技術を持った日本の企業をデンマークに誘致する仕事をしながら、大学でも教鞭を執るヨアン・ヤコブさん。
今回のお宅拝見では、童話作家アンデルセンの故郷である「オーデンセ」郊外にあり、2階部分を最近増築された素敵なご自宅にお邪魔してきました。

童話作家アンデルセンの故郷

童話作家アンデルセンの故郷
「オーデンセ」郊外に立つ一軒家

もともとは「恋人が住んでいた」という理由で、この街に引っ越してきたヨアン・ヤコブさん。美しい自然に囲まれているだけでなく、ビジネスや文化活動も活発な環境なので、すぐにこの街を好きになったそう。

都市部から遠いわけではないにもかかわらず、この庭付きの一軒家はとてもリーズナブルな値段で購入出来たのだとか。また、家から500mほどの所には小さな森があるので、すぐに都会の喧噪から離れられることも購入の決め手だったそうです。

天気が良い日は庭に出て、小中学生の子ども達とサッカーやハンドボールをしたり、ハンモックの上で読書をしたり、犬と遊んだりしています。また、夜には火をたいて「ツイストブレッド」と呼ばれるパンや、ソーセージを焼くこともあります。

週末の朝は子ども達とゆっくり過ごしてリラックス

週末の朝は子ども達と
ゆっくり過ごしてリラックス

お家の1階にはリビング・書斎・ゲストルームが、2階には寝室と子ども部屋があります。リビングでは宿題をしたり、ダイニングテーブルに座っておしゃべりをしたり、ソファーで読書をしたり、ピアノを弾いたりしながら、子ども達と一緒に「ヒュゲリ」な時間を過ごします(ヒュゲリとはデンマーク語で「心地よい」という意味)。

また、ヨアン・ヤコブさんは家族間でしっかりとコミュニケーションを取るために、なるべくみんなで朝食と夕食を食べるようにしています。土曜日の朝食の時には、家で焼いたパンとコーヒーを片手に、その週に何があったのかをのんびりと話し合っているのだとか。

お家の造りやインテリアもさることながら、みんなで家時間を楽しむ習慣があることが素敵ですね。

デンマーク人男性目線のこだわりキッチン

デンマーク人男性目線の
こだわりキッチン

キッチンはリフォームして、リビングとの間に仕切りがなく、みんなでおしゃべりをしながら料理が作れるオープン型にしました。ヨアン・ヤコブさんは一人きりで料理をするのが寂しいそうで、このキッチンをとても気に入っています。

なるべく無駄のない配置を目指し、自動食器洗い機は食器棚の真横に内蔵したおかげで、片付けはとても簡単。また、オーブンと電子レンジを縦に重ねたことで、調理中の食材移動もスムーズに。

普段はデンマーク料理だけでなく、日本料理やイタリア、スペイン料理も作っているそう。男性でも料理をするのが一般的なデンマークらしい、キッチンへのこだわりが感じられます。

子ども達が大好きなバスルーム

子ども達が大好きな
バスルーム

各階にバスルームがありますが、子ども達のお気に入りは2階にあるこの大きなバスルーム。

家族みんなで大きな鏡の前に立ち、寝る前に一緒に歯を磨いたり、朝の身支度をしたり出来るのが大好きだそう。

実は大のお風呂好きであるヨアン・ヤコブさん。1階のバスルームには浴槽があるのですが、浴槽にお湯をためると、かなりお金がかかってしまうので全然使えていないのだとか。

本当は檜の浴槽を設置したいそうですが、家族や友人から全く理解してもらえないため、購入は夢のまた夢のようですね。

優しい太陽の光で目覚める寝室

優しい太陽の光で
目覚める寝室

ウォークインクローゼットもある広々とした寝室で、ヨアン・ヤコブさんの一番のお気に入りはなんといっても「窓」です。日の出と共に差し込む暖かくて優しい太陽の光で目覚めるのが、とても気持ちよくて大好きだそう。

睡眠の邪魔にならないように、寝室のインテリアをなるべくシンプルにすることで落ち着いた雰囲気にしています。天井も高く、窓もそれに合わせて高く設置しているので、たくさんの日光が浴びられる反面、夏は日の出時間が早く、週末でもあまりゆっくり眠ることが出来ません。それでもこの窓にカーテンをつけることはないそうです。

長くて暗い冬を堪え忍ぶ環境の北欧だからこそ、太陽を待ち侘びる人々のこだわりが感じられますね。

なるべく無駄のない空間づくりを意識

なるべく無駄のない
空間づくりを意識

ヨアン・ヤコブさんにとって、家の中は明るくて、物が散乱しておらず、新鮮な空気に満ちていることがとても大切です。なるべく物は少なくしたいので、実用的でないインテリアは置かれていません。シンプルで使い勝手のよいアイテムでまとめるように心がけられています。

また、古い物はなるべく捨てるように心がけられています。とはいっても、親の代から譲り受けたアンティーク家具はあります。そういった家具は美しいとともに、センチメンタルな価値を持っているので、大切に使い続けていきたいそうです。

いかがでしたでしょうか。コミュニケーションを取る習慣をきっちりとつくることと、物を大切に長く使いながら、不要なものは置かずに「シンプルで機能的」な家と空間づくりを心がけることが印象的でした。日常生活の中でついつい物が溢れてしまいがちですが、北欧らしい家づくりにとっても、「断捨離」が大切な心構えかもしれませんね。

ヨアンさんのお気に入りアイテム3選

ヤコブさんのお気に入りアイテム

赤いソファー

部屋の隅に置かれたこのソファーは、座り心地が抜群。リビングで家族と過ごすひとときだけでなく、インテリアのアクセントとしてもヨアン・ヤコブさんにとって欠かせないアイテムです。

ヤコブさんのお気に入りアイテム

テーブルの上に吊されたランプ

デンマーク人デザイナーによって100年前にデザインされたこのランプ。しっかりと食卓を照らしてくれるだけでなく、使わない時には控えめなインテリアになる所がとても気に入っているそうです。

ヤコブさんのお気に入りアイテム

暖炉

少し寒くなってきたらこの暖炉の出番です。毎年秋の薪割りも家族みんなで行っているので、寒い冬への準備は万端。自然な暖かさで家中が優しいぬくもりに包まれる中、カードゲームやボードゲームをしながら暗くて長い北欧の冬を越されるそうです。

TEXT : 針貝有佳

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