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フィンランドの愛され上手なロングセラー・インテリア雑貨Best5

にぎやか家族が暮らすおうち、幸せあふれる同棲カップルのアパート、森のなかにたたずむおばあちゃんの古い家…… フィンランドでいろんなライフスタイルのお宅にお邪魔するたびに、ほとんど必ずといっていいほど、家主の世代や性別を問わずどこの家でもお見かけするマスト・インテリア雑貨が存在します。

それはたとえば、かの有名なデザインブランドのクラシカルアイテムであったり、製造元の知名度は低いのに存在感の強い定番食器であったり、いわゆる伝統工芸品であったり。ともかくいずれも、世代を超えてフィンランド人たちの琴線に触れ、あるいは今さら気にも止められないほど当たり前の存在として、すっと彼らの生活に寄り添い続けているものばかりです。

そんなフィンランドの愛され上手なロングセラー・インテリア雑貨Best5を、フィンランド人たちの愛着たっぷりコメントとともにご紹介いたします!

マリスコーリ(mariskooli)
マリスコーリ(mariskooli)

1. マリスコーリ(mariskooli)

マリスコーリ(mariskooli)は、国を代表する2大老舗デザインブランド・ガラス製品のイーッタラ社とテキスタイルのマリメッコ社とのコラボレーション商品として知られる、脚つきの優美なボウル。

原型は1800年代に製造されていたという歴史あるアイテムで、1960年台に、マリメッコの創立者であるアルミ・ラティアがイーッタラ社に復刻を求めたのをきっかけに、今日でも次々に新色が発売されるほどの人気の座を獲得しました。フィンランド人たちは皆口をそろえて、「こんなに華やかかつ万能なアイテムは他にない!」と称賛します。

例えば食卓では、誰もが手を伸ばせるところにソースやトッピング、砂糖なんかを置いておけるし、リビングでもちょっとつまめるチョコやキャンディーを入れておけば、自然と人が集まり会話が弾みます。夜にはキャンドルホルダーとしても大活躍。

マリボウルは、その見た目と機能ともに、今も昔も人々の団らんの場所をぱっと華やがせてくれるプリマドンナのようなアイテムです。

キヴィ・キャンドルホルダー(kivi kynttilälyhty)
キヴィ・キャンドルホルダー(kivi kynttilälyhty)

2. キヴィ・キャンドルホルダー(kivi kynttilälyhty)

キヴィ・キャンドルホルダー(kivi kynttilälyhty)もまた、イーッタラ社とマリメッコ社のコラボレーション商品として1990年台にフィンランドの生活空間に登場し、歴史は浅いものの瞬く間に浸透していった王道アイテムです。

一日中ほの暗い冬の家をぽっと温かく灯してくれるキャンドルは、今も昔もフィンランドの日常に欠かせない存在。そのキャンドル芯を、いかに美しく、安全に灯し続けられるか…… というキャンドルホルダーの使命の究極形が、このキヴィシリーズではないでしょうか。

マリボウルとは対照的な、シンプルを極めた円筒。「石」を意味するシリーズ名だけに、ずっしりとしたガラスの厚みと安定感は、どこで火を灯しても安全。食卓、リビング、サウナの窓辺にも…… いくつあっても困らないからちょっとした贈り物としても定番ですね。

ムーミンマグ(muumimukit)
ムーミンマグ(muumimukit)

3. ムーミンマグ(muumimukit)

陶器ブランドのアラビア社から生まれたムーミンマグ(muumimukit)のシリーズは、ムーミン谷のメインキャラクターたちが個別に描かれたクラシカルな通年アイテムに加えて、今なお半年に1度、お話の一場面をモチーフににぎやかな新デザインのものが発表されます。さらに今年2014年は、作者のトーヴェ・ヤンソン生誕100周年を記念した特別デザインのマグも市場に出回り始めています。

これだけ次々と魅力的な新しいデザインが生み出されるので、ムーミンマグのコレクターは国内にも数知れず。キッチンの戸棚にはぎっしりとカラフルなマグが並んでいて、来客時には「どのキャラクターが好き?」という質問からわいわいとマイカップ選びが始まります。

何よりムーミンといえば、私達にとってのドラえもんくらい、フィンランドの老若男女に愛され続ける永遠のヒーロー。あつあつのコーヒーや紅茶を注いだムーミンマグが食卓を彩ってくれていると、誰もがにっこり落ち着けるのです。

ヘイナ(Heinä)

4. ヘイナ(Heinä)

その昔フィンランド屈指の陶磁器ブランドとして一世を風靡していた時代のあった、今はなきケルマンサビ(Kermansavi)社のロングセラーシリーズ、ヘイナ(Heinä)。

マグカップからオーブン皿、サラダボウルまでありとあらゆる食器がかつて出回りましたが、現在では蚤の市でしかお目にかかる機会はありません。穏やかなアイボリー色が主体で、うつわの上部および内側全体にかけては、飴をじっくり煮詰めたような深みのある黒褐色を帯びています。

実は今日、もはやこのシリーズ名どころかブランド名も知らないフィンランド人が少なくないのに、なぜかどこの家庭の戸棚にも今なお確実にヘイナシリーズの食器があり、愛着を持って使われ続けているという珍現象が。「だって、ぽってりとした陶器らしい丸みと温かみが可愛いし、今のスタイリッシュなデザインには真似できない頼もしさがあるでしょ?」ですって。

確かにその質感には貫禄と安心感があり、バリッとした色柄にあふれるクロスや食器とも、実は相性ばっちり。華やかなフィンランドの食卓に鎮座して、助演俳優のように寡黙に責務を果たす「いぶし銀」的存在なのです!

白樺のカゴ(pärekori)
白樺のカゴ(pärekori)

5. 白樺のカゴ(pärekori)

フィンランドらしい自然景観に欠かせない白樺の木。その樹皮を剥いで短冊状に斬り裂き、丁寧に編みこんでいくことでやがて完成する白樺のカゴ(pärekori)は、フィンランドのもっともポピュラーな伝統工芸品のひとつです。

日本でもそうですが、「伝統工芸」と名のつくものは、時代の流れのなかでどうしても廃れていきがち。それでもこのカゴに限っては、使い道の広さとモダンなインテリアにも馴染む素朴な風合いによって、今なおフィンランド人家庭でごく当たり前に使われています。

よく見かける利用法は、暖炉のそばで薪をストックしておくラックとして。そのほか、編み物好きさは毛糸や編みかけの作品を収納していたり、サウナ小屋で必要グッズの収納や持ち運びに使われていたり、年配の人のあいだでは買い物かごとしても使われ続けています。

「私たちの周りに当たり前に存在する白樺由来だし、時代に関係なく生活のそばに置いておきたいアイテムよ」と、若者たちも木目の浮かんだ網みめに優しい眼差しを向けます。

TEXT : こばやしあやな

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