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ノルウェーデザイン活動の拠点、ドガ訪問レポート

ノルウェーデザイン活動の拠点

北欧デザインといえば、スウェーデンなど他国の影に隠れがちなノルウェー。実は、首都オスロには注目の最新デザインスポットがいくつもあるのです。今回訪問したのは、地元で「ドガ」と親しまれている、デザインと建築のPRを行うプロのデザイン組織です。

ドガ(DogA)は、「ノルウェーデザイン建築センター」(Norsk Design- og Arkitektursenter)の略で、2005年に設立された公共財団法人です。ノルウェー貿易産業漁業省の支援の下、国内のデザイン産業の広報活動を行っています。一般向けのデザイン関連の展示やイベントを開催しており、大人だけでなく、子どももデザインと遊び親しむことができます。デザイナーや建築家など関係者の交流の場ともなっており、様々な角度から意見や知識を交換する講演会も頻繁に催されています。

2014年11月に開催された展示展「Lev vel」(よく、生きよ)では、サステイナブルなデザインをファッション、フード、建築など様々な観点から紹介されました。

赤茶色のレンガ作りの建物が目印
赤茶色のレンガ作りの建物が目印
スタッフのオフィス
スタッフのオフィス

2014年5月には、「ノルウェーデザインカウンシル」と「ノシュクフォルム」という、ドガ館内に事務所を構えていた2つの組織が合併しました。今後は、デザイン中心地として更なる活躍が期待されています。

ドガは赤茶色のレンガ作りの建物が目印。1898年より続く建物群で、かつては送電所としても使用され、オスロの文化遺産管理機構の重要リストに指定されています。

話題のお洒落エリア、グリーネルロッカ地区に位置しており、オスロ中央駅からバスで約5分と簡単にアクセスできるため、旅行者も気軽にデザイン展示を見に立ち寄ることができます(展示内容は時期により異なり、通常は入場自由・無料)。

デザインチェアと自然光に包まれた環境

普段は一般公開されていない、スタッフのオフィスもお邪魔してみました。北欧の冬は日照時間が短い期間が長く続きます。少しでも光が入るように、壁は一面ガラス張りで、スタッフが明るく元気に過ごせるように、カラフルなインテリアが目立ちます。

カラフルなインテリア
カラフルなインテリア
館内の中心部にある大きな階段
館内の中心部にある大きな階段

スタッフは館内のカフェか休憩スペースでランチをとることが多いそうです。ここでも自然光がたっぷり内部に入るようにデザインされています。空間のあちらこちらには名作デザインチェアの復刻版が! オレンジやレッドのポップカラーが印象的なチェアはノルウェー人デザイナーであるスヴェン・イーヴァル・デュステ(Sven Ivar Dysthe)氏の作品「Planet」(1965年)。

ドガらしい建築デザインといえば、館内の中心部にある大きな階段。一般訪問者もスタッフも、誰もが自由に座ることのできるスペースとなっています。

デザインについて意見を交し合う、出会いの場

ユニバーサルデザインに関するワークショップ
ユニバーサルデザインに関するワークショップ
オーガニック食材にこだわったカフェレストラン
オーガニック食材にこだわったカフェレストラン

「デザイン」といってもその幅は広く、家具などのプロダクトデザインだけではなく、サービスデザインやライフデザイン、都市開発など、多岐にわたるドガの専門分野。従業員のための労働環境、顧客のためのサービス向上や、市民のための施設の再開発を検討する政治関係者、公的・民間企業などが、アドバイスやインスピレーションを求めてドガを利用しています。写真(左)は、ユニバーサルデザインに関するワークショップ。所属企業の異なる参加者をミックスしたグループで、与えられた課題について話し合います。

オーガニック食材にこだわったカフェレストランも設置されており、近所の人々や旅行者も気軽に立ち寄る食スポットともなっています(右)。カフェを彩るブラウンのチェアは、ノルウェー人デザイナー、ハンス・ブラットルゥ(Hans Brattrud)による作品「Scandia Junior」(1957年)。

※「Planet」と「Scandia Junior」復刻版はNorwegian icons(Fuglen tokyo)で購入可能。

立ったままパソコン作業! ノルウェー人の働き方

立ちながら仕事をしている人も
立ちながら仕事をしている人も
Capiscoチェア
Capiscoチェア

スタッフが様々なノルウェーブランドのデザインチェアを使用していますが、中には立ちながら仕事をしている人も!「立って仕事をしたほうが、効率的よ」と話すのは、キュレーターとして働くベネディクテ・スンデさん。テーブルは高さを自由に調節できます。スンデさんの向かい側で仕事をするスタッフは、HÅG社の人口工学に基づいたCapiscoチェアを愛用中。

ベネディクテ・スンデさん
ベネディクテ・スンデさん

ノルウェーでは朝8時頃から働き始め、夕方4時には颯爽と帰宅する人が多いのですが、スンデさんのようなキュレーターで展示制作に関わっている場合は、夜遅くまで残業することも多いそうです。

ドガを訪問中は、「サステイナブル」や「イノベーション」という言葉をよく耳にしました。今後のノルウェーデザインを語る上で、重要なキーワードとなるのでしょう。

DogA公式HP http://doga.no/

TEXT : 鐙 麻樹 

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