コラム&インタビュー

コラム

メモリアルイヤーに注目を集めた、北欧デザイン×ムーミンの個性派アイテム

2014年は、日本人も愛してやまないムーミンシリーズの生みの親、トーヴェ・ヤンソンの生誕100年の記念年でしたね。彼女の生まれ故郷である本国フィンランドでも、また国外では例外的にファンの多い日本でも、さまざまな企画展やイベント、映画、特別グッズなどが発表されて大いに盛り上がりました。実は今年2015年も、今度はムーミン誕生70周年ということで、お祭り騒ぎは来年以降もまだまだ各地で引き継がれていきそうな予感がします。

ところで、昨年のトーヴェ・ムーミン祝祭ムードには名だたる人気北欧デザインブランドまでもが加勢し、デザイン性が高く評価されるムーミングッズが次々に生み出されたことにも注目が集まりました。今回は特に、このメモリアルイヤー前後に誕生したフィンランドや北欧諸国の実力派デザインブランドと、ムーミン谷のキャラクターたちとの、スタイリッシュで個性の光るコラボレーションアイテムを5点紹介したいと思います。各デザイナーたちには、ムーミンキャラクターをデザインモチーフに応用する際に、どんな魅せ方やアレンジに気を配ったのかもインタビューしました!

Artek社の名作スツールとトーヴェのモノクロ線描画が、エレガントにコラボ

気鋭の現役デザイナーたちの作品はもちろん、かつてフィンランドの家具デザイナーの巨匠たちのデザインしたプロダクトの復刻にも力を入れているアルテック社。その看板プロダクトのひとつでもある、アルヴァ・アールトが1930年代にデザインした不朽のスツールや円卓と、トーヴェ・ヤンソン芸術の真骨頂、モノクロ線描画のシックなムーミン谷の世界との融合作品が、記念年を目前にした2013年にリリースされ、ムーミン×デザインコラボのさきがけとして話題を呼びました。アールトと、トーヴェ。まさに、フィンランド文化のタイムレスな2大巨星の夢の競演です。愛らしいムーミンの上に腰掛けてしまうのはいささか気が引けてしまう、という人もいそうですが、本国ではこの椅子やテーブルのセットはとりわけ子ども部屋や幼稚園などの公共施設で人気。日本の店舗でも入手可能で、来春から東京の赤坂にオープンする話題のムーミン幼稚園にももちろん設置されているようですよ。

Artek社公式サイト(英語)

Artek
座面にスナフキンのイラストがスツール。トーヴェ作品の魅力である、繊細な線描で表現された背景や影も素敵
Artek
円卓の直径75センチ、高さ60センチの、ソファーテーブルや子どもの作業机にぴったりなサイズのテーブル

愛嬌たっぷりに明かりを灯す、 ハッリ・コスキネンの手がけたムーミンランプ

国内外で注目される現役デザイナーらと協力して優良フィンランドデザインをプロデュースしていこうと、2013年に活動を始めたばかりの新興ブランド、フィーリス・ヘルシンキ(Feelis Helsinki)からトーヴェイヤーに合わせて生み出されたのが、一目見て誰もが心ときめかせにっこりしてしまう、その名もムーミン・ランプ。 デザインは、今日のフィンランド・プロダクトデザイン界を牽引する存在の一人であるハッリ・コスキネンが担当。つるっとした滑らかな輪郭と純白色が、ムーミンキャラクターのイメージに妙にマッチしています。製品化までには、 部屋のオブジェとして日中でも愛情深く眺めてもらえるように、それぞれのキャラクターの個性を残しながらも雪だるまのようにフォルムを単純化して、滑らかさや愛らしさを出すのに苦心したのだそう。光が灯ると、まるでムーミンたちの胸のなかにぱっと明かりがついたようで、優しい気持ちになれます。2015年からは、日本の電圧プラグに対応した商品がいよいよ国内でも販売されるようですので、要チェックですね!

Feelis Helsinki公式サイト(英語)

Feelis Helsinki
明かりを灯していない日中でも、清楚で愛らしいオブジェとして部屋の雰囲気を明るく楽しくしてくれる
Feelis Helsinki
大小さまざまなニョロニョロがこんなに寄り集まると、まるでお話の世界に引き込まれたような心地に!?

シルエットに見覚えあり? あのおてんば娘から着想を得たMuutoのランプMHY(ミュー)

いたって普通な椀型のランプシェードの先に、さらにビーンズ型のオブジェクトがもうひとつ。さて、どこかで見かけたことのある気もするこのユニークな形は、いったい何から生まれたものでしょう??実はこれ、ムーミン谷のおてんば娘ミーのヘアースタイルをイメージして作られたというペンダントライトなのです!この遊び心たっぷりのデザインを真顔で手がけたのは、以外にもご当地フィンランド人ではなく、デンマークを拠点にしたプロダクトデザイン会社ムートス(Muuto)に在籍する、ノルウェーのオスロ出身の人気デザイナー、ノルウェー・セイズ。「子供の頃に読んだ童話に出てきた、ミーのエレガントな出で立ちと強烈な個性からインスピレーションを受けて、この楽しいデザインが生まれたんです」と語る、ミーに劣らず茶目っ気たっぷりのセイズ。色もミー本来の赤毛色だけでなく、黒、グリーン、黄色、白と自分の部屋にあったカラーで、それと気づかせず空間を華やがせてくれます。日本でもすでに取り扱いされており、北欧デザインプロダクトを扱ういくつかのオンラインショップでもお店で購入可能です。

Muuto公式サイト(英語)

Muuto
言われなければ意外なモデルがいることには気づかないかもしれない、デザイン性も高いフォルム
Muuto
飽きの来ないシルエットで、同じ空間にいくつ下げてもしつこくないのも良い

ムーミン世界の真髄をファッションで表現したIvana Helsinkiのムーミン・コレクション

まもなく本格的な日本展開も始まる、フィンランド人姉妹デザイナーが牽引するファッションブランド、イヴァナ・ヘルシンキ(Ivana Helsinki)。1998年の創立以来、2人の幼少期の記憶や心象風景などをモチーフにしたオリジナルテキスタイルをもとに、アーティスティックなコレクションを毎シーズン発表して、フィンランド女子を虜にしてきた実力派ブランドです。そしてトーヴェ・メモリヤルイヤーの今年は満を持して、彼女たちを始めフィンランド人誰もの幼少期の思い出に深く刻まれている、ムーミン作品の世界観をモチーフとしたコレクション「Moomin inspired collection for woman」を発表。秋には東京でも大々的にファッションショーが開催されました。この実現にあたり、キャラクターの版権を握りあらゆる新商品に対して厳しい監修を行うソフィア・ヤンソンからは全面的な信頼と協力を得られため、敬愛するトーヴェのさまざまな作品をベースに、とても自由な表現に取り組むことができたのだそう。その結果、熱心なファンのみぞ知るマイナーキャラクターのシルエットまでもがモチーフになったり、トーヴェの思想的な原画やアートの世界観がつまった独創的な衣服が次々に誕生しました。2015年には一般販売も始まり、ラインには今後も継続的に新作が発表されるようで、今後の展開に期待が高まります。

Ivana Helsinki公式サイト(英語)

Ivana Helsinki
ムーミンシリーズのお話のどこかに出てきたレアキャラクターも、このとおり大胆にモチーフに起用されている
Ivana Helsinki
嵐のワンシーンの原画タッチを生かした作品。トーヴェの描く世界への深い理解と愛情がつまっている

2つの北欧スニーカーメーカー、Karhu社とSneakersnstuff社とムーミンとのトリオコラボ

熊のロゴでお馴染みのフィンランドの老舗スニーカー、スポーツ用品ブランドのカルフ(Karhu)と、1990年代終わり頃からスウェーデンでスニーカーといえばここ!というくらい一世を風靡したブランド、スニーカーズ・アン・スタッフ(Sneakersnstuff、以下SNS)の二社が、2014年のトーヴェイヤーを祝し、まさにムーミンに仲介してもらうようにコラボレーション商品を発表しました。カルフ社のスタンダードシリーズであるアルバトロス(Albatross)に、SNS社のパターンデザインが見事に融合しています。 パターンは、デザイナーがこのためにムーミンキャラクターズ社が所有するすべてのアーカイブに目を通したといい、厳選の結果、笑顔のミーが散りばめられた”Lilla My”と、トーヴェの作品でよくお目にかかる個性的な花模様の描かれた”Flowers”の二種類が商品化されました。人からは見えない中敷きにだってもちろん、ムーミンがぎっしりと描かれています。 またアルバトロスといえば、サイドに大きなM字型のロゴが入り、その上部にちょこんとブランドロゴの熊が描かれているのが特徴ですが、今回のコラボレーション商品では、この熊の部分がさり気なくムーミンに描き換えられているのも、ファン垂涎のワンポイント。カルフ社のスニーカーは、来年度は日本でも本格展開が予定されており、今後さらに国内での人気も高まっていくのではないでしょうか。

Karhu社公式サイト(英語)

Sneakersnstuff社公式サイト(英語)

Albatross
アルバトロスは、軽くて日常使いやランニングにぴったりのロングセラーシリーズ
Albatross
メインのパターン地以外にも、随所にさり気ないムーミンのロゴやイラストが描かれているので隅々まで探してみて!

TEXT : こばやしあやな

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