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映画「バレエボーイズ」

今年2月に開催された北欧映画祭「トーキョーノーザンライツフェスティバル2015」でジャパンプレミア上映され、大盛況で立ち見も出るほどの好評を博した青春ドキュメンタリー映画、「バレエボーイズ」が2015年8月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンク他で公開が決定しました!

京橋テアトル試写室で行われた、こちらの試写会にお邪魔しました。

舞台は、北欧、ノルウェー。
首都、オスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年、ルーカス、トルゲール、シーヴェルトの成長を追ったドキュメンタリー映画です。
12歳から16歳という、心も体も成長していく多感な時期を共に過ごし、葛藤、苦悩、挫折を味わいながら、厳しい練習に耐え、同じ「プロバレエダンサー」という夢に向かって踊り続ける少年たちの姿と情熱がスクリーンから溢れ出てきます。

やはり、「バレエ」というと女性の「バレリーナ」をイメージする方が多いでしょう。ローザンヌ国際バレエコンクールにおいて日本人男性も入賞するようになり、徐徐に日本でも男性のバレエダンサーが注目を集めるようになりました。男性のバレエ人口も増えているようですが、それでもまだまだ少ない様子。それは日本だけでなくノルウェーでも同じ。男性でプロのバレエダンサーを目指す人は女性に比べたら少ないのが現状だそうです。

この映画の監督は、ケネス、エルヴェバック。脚本も手がけています。ノルウェーのドキュメンタリー映画監督であり、プロデューサー。
ケネス監督は、「プロのバレエダンサーになるのがどんなに大変かを示す映画を撮りたいと私は思った。バレエはジェンダーや性指向とは関係がない。バレエとはすなわち、才能と厳しいトレーニングであり、友達や家族に支えられながら自分の表現やアイデンティティを見つけようとする悪戦苦闘なのだ。」と述べています。

芸術を志す若者なら誰しもがぶつかる、勉強との両立という壁。「もしもバレエで芽が出なかったら?」という不安。「それでもプロを目指したい」という確固たる意志。家族との関わり。3人の友達関係。「夢と希望」という、綺麗な言葉の裏には、それだけでは済まされない現実の問題をたくさん孕んでいるのです。

3人が受験するのは、KHiO(オスロ芸術アカデミー)という国立芸術アカデミー。ダンス学部の中にクラシカル・バレエのコースがありますが、入学出来るのは、1年に10人以下という厳しい競争率。ところがある日、ルーカスだけに、世界三大名門バレエ団の一つとも称される、英国ロイヤル・バレエスクールからオーディションの知らせが来て・・・。

この映画は、2008年に完成したオスロの新しいランドマークである、「オペラハウス」が舞台となっています。ビュルビーカ地区にあるこの施設は、オスロで最大規模の文化施設です。氷山を想わせる美しいデザインは、スノヘッタ建築事務所の設計によるものです。

ケネス監督は、公式サイト中のDirector’s Note で「この作品をおとぎ話しだと想像してみるのが私は好きだ。ルーカス、シーベルト、トルゲールの夢は本当に叶うに違いない。」と結んでいます。

ご存知の方も多いかもしれませんが、出演者の一人、シーベルト・ロレンツ・ガルシアは、「ローザンヌ国際バレエコンクール2015」のファイナリストに選ばれるなど、現在も精力的にバレエ活動を行っています。
夢を叶え、ステップアップを目指し、輝き続ける彼らの姿をこれからも見守っていきたくなる、そんな映画です。

バレエボーイズ

2015年8月29日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンク他、全国順次公開

監督:ケネス・エルヴェバック
出演:ルーカス・ビヨルンボー・ブレンツロド、シーヴェルト・ロレンツ・ガルシア、トルゲール・ルンド、他
原題:Balletgutene
配給・宣伝:アップリンク

http://www.uplink.co.jp/balletboys/

TEXT : 曽根瑞穂

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